明治42年(1909)5月に黒須銀行の本店として建てられた土蔵造りの二階建ての建物で、平成2年に市指定文化財(建造物)に指定されました。現存する土蔵造りの洋風銀行建築は貴重な近代建築遺構です。
壁は、もとは土壁に黒漆喰の仕上げだったのですが、今は白いペンキが塗られており、2階屋根の赤い瓦も、もとは1階と同じ、市内の小谷田で生産されていた燻の小谷田瓦が使われていました。
現状はだいぶ痛みの激しいところも見られ、シートで雨漏り等への対処をする程度のちょっと残念な状況でもありましたが、ようやく2023年度の秋から耐震化も含めた修復工事が始まる予定です。修復における工事内容は、古い建物の修復技術を学習する貴重な期間ともなり専門家の間でも注目されています。
一方で、この施設を今後どのように利活用していくのかなどは市および地域での市民との意見交換、情報共有など知恵を寄せ合うことが求められてもいます。